でっきぶらし(News Paper)

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249号(2019年08月)8ページ

スポットガイド「ゾウ」

 二年ぶりとなったゾウのスポットガイドは、六月に五十三歳の誕生日を迎えたダンボのお祝い会として開催されました。ダンボは、一九六九年に日本平動物園が開園した時から今日まで飼育されていて、まさに歴史の生き証人という存在です。当園のシンボルであるダンボの誕生会では毎年大好物のスイカとメロンをプレゼントしています。

 そのまま与えるだけでは味気ないので、スイカ二個とメロン一個にそれぞれ「祝」「53」「歳」と文字を刻んで与えることにしました。小さめのナイフで果実の皮と実の部分を切り取っていきます。「祝」と「53」は何とか完成できましたが、「歳」は画数が多いのでなかなか大変です。果物も一個ずつしかないので失敗は許されません。途中で、「カッコつけて「歳」を選んじゃったけど、やっぱり簡単な方の「才」にすればよかった〜」なんて思いましたが後の祭り。覚悟を決めて、果皮と果実の切り抜きを続けます。なんとか完成させることができたので、調理場のまな板に並べてみました。自分で作っておいてなんですがなかなかの出来だなと自画自賛。来園者の皆様にも見て頂こうと完成したスイカたちは、誕生会までゾウ舎の寝室に飾っておきました。

 そして始まった誕生会、ハッピーバースデーソングを歌った後、自慢のスイカたちをプレゼントしました。ちゃんと食べてくれるか不安もありましたけど、やはり大好物なので一口で丸齧りしました。合計二時間費やした贈り物がダンボの口の中に消えていったのはわずか数秒だったのでした。

山本 幸介

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