でっきぶらし(News Paper)

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268号(2022年10月)9ページ

スポットガイド 8月21日 猛禽類

 8月21日に猛禽類のスポットガイドを実施しました。当園の猛禽舎ではハクトウワシ、ヒゲワシ、アンデスコンドルの3種を飼育しています。ガイドでは生息地や野生での過ごし方と、現在飼育している個体の紹介、餌の説明などを行いました。

 ハクトウワシは暁(♂)とキャロル(♀)がいます。ハクトウワシの幼鳥は全身がこげ茶色をしていますが、成長するにつれて頭だけ白色に変化します。2018年に当園で初めて繁殖した暁も昨年ごろから頭の羽の色が変化し始め、最近では綺麗な白色の羽になりました。この2羽は繁殖を目指すペアとして飼育している夫婦で、キャロルの方が年上の姉さん女房です。見分けるポイントは、キャロルの方が頭の白色が綺麗で体も少し大きいところです。どちらも臆病な性格で、飼育員や隣の電柱に止まっているスズメに驚いて飛び回ってしまうこともあります。

 国内唯一のヒゲワシ、クリッパー(♀)は、暑さ対策のため非公開施設に移動していて不在でしたが、涼しい部屋で快適に過ごしている様子を紹介しました。この号が発行される涼しい時期には猛禽舎に戻る予定です。ヒゲワシの寿命は約40年ですが、クリッパーは今年で来園してから37年の高齢個体です。近年の暑すぎる夏はかなり辛いようで、せっかくのガイドでしたが、クリッパーの体調を優先して非公開となりました。

 アンデスコンドルのジュン(♂)は人工哺育で育ったため、ハクトウワシのように飼育員を怖がらず、いたずら好きな性格です。機嫌が悪い時やこちらが隙を見せた時には飛び掛かってくることがあるので、あまり近づかないようにしています。一度、掃除のときにお客さんの質問に答えていたところ、ものすごい速さで飛びつかれたことがあります。ジュンからしてみれば、「こっちを見ていないな…やっちゃえ!」という感じでしょうか。ドアノブも捻ってこじ開けてしまうくらいの力があり、噛みつかれたら大怪我になるので、いたずらもほどほどにしてもらいたいところです。実はこの中で、ジュンだけが飼育員から直接餌をもらうことができます。他の鳥たちは餌を置いてもなかなか食べてくれないので、猛禽舎で餌を食べるところが見られるのはかなり貴重!とっておきの特技を活かして、ガイドの最後にジュンが柵越しに大好きなレバーを食べる様子を見てもらいました。参加してくださった皆様、お集まりいただきありがとうございました。

(大谷 舞)

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