でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 270号の3ページへ270号の5ページへ »

270号(2023年02月)4ページ

同世代のダンボ姉さん

アジアゾウのダンボと私は同世代です。ダンボ只今56歳。国内のアジアゾウのメスの中では最高齢、第一位です。これって凄い事だと思うのですが…。ゾウの平均寿命が60歳とされていますが、ダンボは60歳なんてまだまだな感じで元気モリモリです。しかも、去年5月まではシャンティも一緒に居て、2頭で50年以上一緒に居るのは全国でもなかなか珍しい環境だったと思います。残念ながらシャンティは、去年53歳になってすぐの5月5日に亡くなってしまいましたが…。
私がゾウ班になって一番驚いたのは、この2頭が変わらずずっと一緒に居ると言う事でした。どういう事かと言いますと、今でこそナイスミドルな私でもそりゃー子供の頃があった訳で、子供の頃にここに来て見たゾウがその時と同じこの2頭だと言う事です。代わらずずっと一緒にそこに居たという…。

私の地元は静岡なので、初めて見たゾウがこのゾウたちでそれが今でも生きていると言う現実に驚き、それからは尊敬の眼差しに変わりました。さらに、ダンボもシャンティも同世代とはいえ私よりも年上で先輩ですから、私より長生きでどっちもねえさんだったと。スゲーなとしか言いようがなかったです。若い人達はそんな事ないと思いますが、自分と同世代ないし同級生の動物ってなかなかいませんよ、本当に。10代未満ならゴロゴロ、10代もソコソコ、20代でもチラホラ、30代だとかなり難しくなって、40,50,60代になって来るとほぼ居ない感じですかねぇ~。そうなると貴重な体験だし、親しみも倍増してきます。みなさんもそんな感じでいろんな動物探してみると、また違った感じで親しみの湧く推し動物が見つかるかもしれませんよ~。

さて、そんなダンボねえさんですが、シャンティがいなくなってから健康管理と信頼関係を築くという意味で、お昼に少しずつトレーニングを始めています。ダンボもシャンティと同じく以前までは一緒に直接トレーニングをしていたので、号令も覚えていました。

これも凄く驚く事で、今までダンボにトレーニングの号令を掛ける事など無かったのですが、号令掛けるとなんなくスッとやってしまう、しかも何十年振りの号令でも覚えていると言う頭の良さ。本当にビックリさせられるし、感心しますね。ダンボねえさん本当頭いいなぁ~って。みんなで談話している内容も、オッサン達が使う静岡弁もすべて理解していると私は確信しています。だって自分より長生きをしてるし、ずっとここに居るのだから。

頭がいいかわりに、水も掛けるし、泥も飛ばすし、物も投げるし、教えてもないのに前足を上げて踏み鳴らして怒るしで、飼育員も手を焼きますが、どうかみなさんあたたかい気持ちで接していただけると幸いです。

そして皆さんと共にダンボを一日でも長くお世話できるように頑張って行きたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。

(望月 利憲)

« 270号の3ページへ270号の5ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ