でっきぶらし(News Paper)

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270号(2023年02月)6ページ

スポットガイド 12月18日 シロフクロウ

 12月18日(日)13時30分からスポットガイド「シロフクロウ」を実施しました。

 この冬一番の寒さとなりガイドが始まる時間も冷たい風が強く吹きつけ外でガイドを実施するにはつらい季節となりました。また当日はクリスマスイベント期間と重なり様々なところで同じ時間帯にイベントが開催されていたこともあり、ガイドが始まる時間にもかかわらず聞いて頂ける来園者が集まらないという状況になってしまいました。そんな状況にもかかわらず2組のご家族が足を止めてガイドに耳を傾けてもらえ実施することができました。時間が経つと何か行われていることに興味を示して頂き結果的には多くの方の参加がありました。ありがとうございました。

 はじめに地球上で記録されている鳥類は何種類くらいになるのか、その内夜行性鳥類が占める割合はわずか数パーセントに過ぎない等の話をし、同じフクロウ類でもシロフクロウのように昼間でも活動している種があること、生息環境に白夜があるため昼間の活動に適応していった経緯を説明し、フクロウ類は意外にも昼間の時点でも目が良く見えていること、目は人の何百倍もの感度があること、全く見えない状況下では聴覚を働かせ獲物を捕えること、獲物を捕える際、羽の周りに柔らかい綿毛が生えていることで羽音を立てずに獲物を捕えることができる仕組みをラミネート加工した羽のパネルを使用し、他の鳥の羽の違いを説明しました。フクロウ類が夜間の活動に適した特性を持ったのは、他の猛禽類との競争を避けるために夜行性に進化していく過程で得たもので視野が狭い分、首を回転させる離れ業を身につけ頸骨の数が他よりも多いことでその角度が270度にもなる事を説明すると驚いていました。不消化物はペリットとして吐きだす説明では実際に吐き出した物を見てもらいました。最後に今のペアで初めて有精卵が確認され自然繁殖が期待された中、今年は子育てする大事な時期が異常的な暑さに見まわれてしまい卵だけでなく親の命にも危険が及ぶ状況になってしまったため急遽取り上げなければならなくなった経緯を説明しました。卵から人工的に雛を取り出した経過をパネルで説明し、人工育雛に切り替えたが残念ながら死んでしまったことを報告すると次回に期待していますと励ましの言葉を頂きました。

(佐野 彰彦)

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