でっきぶらし(News Paper)

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275号(2023年12月)5ページ

青木さん、ありがとう

 フンボルトペンギンの青木さんは、2017年1月9日に誕生しました。個体識別のための翼帯が青と黄色なので「青木さん」と名付けられました。クールというメスとカップルで仲睦まじい様子が見られていました。

 青木さんは好奇心旺盛で人懐っこい性格をしており、作業をしている私の近くに寄ってきては周囲の状況をキョロキョロと観察する姿が、とても可愛らしかったです。その愛らしい姿は、多くの来園者を楽しませてくれました。

 青木さんは2022年12月の動物園協会主催のイベント『すみません、「青木さん」はどこにいますか?』で特に注目を集めました。人気者となり、テレビの取材も受けるなど、多くの人々に親しまれたペンギンでした。 

 去年は、巣穴に入るのではなく外の排水溝の上に巣を作り、クールと一緒に卵を抱く姿が見られました。

 クールと共に元気に暮らしていましたが、2023年の9月に病気が見つかり、動物病院で治療を受けていました。青木さんの入院中、彼と連れ添ってきたクールがずっと青木さんを探しまわっていて、その姿を見るたび心が痛みました。クールの行動は彼がどれだけ愛されていたかを示す証拠です。2羽の絆が深かったことがよくわかります。

 最善の治療をしてきましたが、青木さんの体は病魔に抗うことができませんでした。残念ながら11月1日に青木さんはこの世を去りました。彼の死は多くの人々にとって非常に悲しい出来事で、可愛らしい姿と魅力的な性格で私たちの心を掴み、忘れられない存在となりました。

 青木さんの死は、多くの人々にとって大きな喪失であり、彼の思い出は永遠に心に残ります。彼が日本平動物園にもたらした喜びと楽しみを称え、彼の記憶を大切にしましょう。

青木さんありがとう。ゆっくり休んでね。

望月 利憲

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