でっきぶらし(News Paper)

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278号(2024年06月)7ページ

ポップで陽気なポピー

みなさんは昨年の春に生まれたオニオオハシのヒナを覚えていますか?あの小さな嘴でオニオオハシには見えなかったヒナも今では大きな嘴をもった立派なオニオオハシになりました。見た目だけでなく中身も成長し、以前は親に餌をねだっては親に守られているヒナでしたが、親鳥の次の繁殖とヒナの安全のために部屋を分けてからは好奇心があふれ始め、気になった部屋中の植物の葉をむしったり、担当者の頭や手を突きに積極的に近づいてきたり、掃除しているのを頭上近くから観察したりしていました。扉前に立つ担当者が気になって、のぞき窓の隙間からのぞき込むヒナには可愛いがあふれるばかりです。

そんな可愛いヒナは立派なオニオオハシに成長したのでヒナとは呼べなくなり、ひっそりと愛称が決まりました。その名も“ポピー”です。鳥インフルエンザ対策のため閉鎖し、閑散としていた熱帯鳥類館を花が咲いたような雰囲気へ変え、多くの方に喜びを与えてくれたため、花の名前からとりました。また、オニオオハシの嘴のオレンジ色とお尻の赤い羽根からポピーが連想され、花言葉には「陽気で優しい」という意味もあり、オニオオハシの見た目の明るさと好奇心旺盛な性格からぴったりだと思い、“ポピー”としました。ぜひみなさん、「ポップで陽気な“ポピー”」と覚えてあげてください。

 また、熱帯鳥類館には新しい仲間が2羽増えました。1羽はサイチョウの”さむ“(オス)です。サイチョウの”ナナミ”(メス)の新しいパートナーとしてやってきました。同居時にはさむにビビっていたナナミに慎重にゆっくりと距離を縮めようとしてくれる紳士なさむにナナミとのペアリングの成功を期待していましたが、残念ながら今回はペアリングすることができず現在はさむのみが熱帯鳥類館にいます。ナナミはまた動物病院に戻り、ラッパのような大きな鳴き声を動物園のエントランスに響き渡らせているかと思います。また、時間を空けて2羽の関係を仕切り直せることを願っています。

 そしてもう1羽は大きなサイチョウとは反対にとても小さな小鳥のコマドリです。日本で最も美しい鳴き声とされている三大鳴鳥のうちの1羽です。実は鳴き声だけでなく卵も魅力的です。コマドリの卵は青く、某ブランドのイメージカラーの由来となった卵です。体は小さくても魅力あふれるコマドリは和鳥舎にいます。見つからない時は意外と皆さんの近くにひっそりといることが多いのでぜひ見つけてみてください。

(土井)

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