でっきぶらし(News Paper)

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279号(2024年09月)6ページ

アヒル舎の仲間たち☆

 みなさん、こんにちは!私は、4月から日本平動物園で働き始めた、新米飼育員です。動物園では、毎日色々なことが起きていて、私自身、勉強の日々です。 私は今、アヒル・ガチョウ・ウコッケイの担当をしています。今日は、このアヒル舎にいる仲間について書きたいと思います。

まず、悲しいお知らせとなってしまいますが、ウコッケイのジュン(オス)が、2024年7月14日の朝、天国へ逝ってしまいました。日本平動物園で飼育している最後の1羽でした。突然のことで、ふれあい動物園の職員はみんな驚きました。ジュンは、2007年11月に日本平動物園で生まれ、その当時6羽で仲良く過ごしていたそうです。しかし、それぞれが寿命を迎え、2020年3月にはジュン1羽となりました。それでも、毎日「コケコッコー」と力強く鳴く声が、ふれあい動物園中に響きわたっていました。この声には、来園者の方を始め、我々飼育員も活力をもらっていました。まるで1日の始まりを伝えるかのようで、私は身が引き締まる感覚さえありました。また、虫を食べることが大好きで、バッタを追いかけては捕まえて食べていました。くちばしでひと突きして仕留めた後は、ゆっくり味わっていました。そんな姿を見て、私はミルワームを与えてみました。すると、どの餌よりも最初に食べていました。さらに、砂を入れたバットの中にミルワームを隠してみたところ、くちばしで砂を払いながら、必死に探して食べていました。このように、最期まで老いを一切感じさせない元気な姿を見せてくれていました。

そして、ジュンが密かに人気者であったことを、いなくなってしまってから知りました。ジュンの写真を携帯の待ち受け画面にしていた小学生の男の子、出勤のたびに声をかけていたという動物園協会の職員さん、ジュンの訃報を知り「お墓はあるのですか」と、涙を流しながら尋ねて下さった方など、さまざまな方にお会いし、ジュンが愛されていたことを実感しました。可愛がって下さった皆様、本当にありがとうございました。アヒル舎には、まだアヒル1羽とガチョウ2羽が暮らしています。ジュンには、空からみんなを見守っていてほしいです。

続いて、アヒルのけやき(オス)、ガチョウのガブ(オス)とチップ(メス)を少し紹介します。 けやきは、おしりをフリフリして歩く姿がとにかくキュートです。夕方の餌を入れると、ペタペタと足音をさせながら駆け寄ってきます。また、寝室のプールがお気に入りで、日中はそこから、放飼場にいるガチョウを見ていることが多いです。仲があまりよくないため、今はガチョウのみを放飼場に出していますが、けやきも一緒に放飼場に出せたらなぁと願望を持っています。放飼場へのしきり設置など試行錯誤中です。近い将来実現できるよう創意工夫をしたいです。 ガブは、とても気が強く、餌の時間が遅れると、飼育員を噛んでくることがあります。チップのことが大好きなので、よく一緒に泳いでいます。チップは、おとなしい女の子ですが、とっても食いしん坊。けやきが残した白菜を食べてしまうほどです。

また、彼らは最近、体重計に乗るトレーニングを始めました。今までは、私が1羽ずつ抱えて体重計に乗り、その後自分の体重を引くことで測定していました。しかし、動物たちが自ら乗るようになれば、捕まえる手間がなくなり、動物たちもストレスがかからないのではないかと考えています。今の段階では、白菜や青菜などの餌で体重計の方に引き寄せることまでできています。体重を測定できるほど落ち着いて体重計に乗ってくれることを目標に、これから少しずつトレーニングを重ねていく予定です。

まだまだ暑い日が続きそうな静岡ですが、ぜひ、アヒルとガチョウに会いに、ふれあい動物園へ遊びに来てください! 

(梅原)

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