でっきぶらし(News Paper)

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51号(1986年05月)10ページ

飼育係体験記 この体験を通して

少女C
さて、動物園体験記はいかがでしたか?皆さん、それぞれいろいろなことを考えられたでしょうか!!
私達は、8月15日・16日に日本平動物園飼育体験を実施しました。前の日は皆うきうきして、ねむれませんでした。私の場合は、他のみんなが飼育係さんについて働いている間、二日間とも園内をふらふらとまわりながら飼育係のおじさんに話を聞かせていただいたり、ちゃっかり裏に入りこんでいたりしていました。私の目的は園内の様子を観察したり、お客さんにアンケートをとることでしたが、ちょっと予定がかわってお客さんの立場から見る動物と飼育係のおじさんの話をもとに、飼育係さんから見る動物のちがいをまとめてみました。
飼育係さんから見るとライオン・トラなどの猛獣は、あらかじめすごい危険がともなうのでいっしょに入って掃除などすることはないそうですが、いっしょにオリの中に入って掃除などする動物の方がかえって危険だそうです。いくらおとなしそうに見える動物でも、いっしょにオリの中に入っていれば何がおこるかわからないし、実際にはすごく危険だそうです。
実際に私は一メートルぐらいの所で動物を見せていただいたのですが、本当に怖いと思いました。普段“かわいい”と思っているものさえ体に震えがしました。オリとサクの威力を改めて知りました。
私は、その二日間で五周くらい園内をまわったのですが、最初に一周した時は自分の中に動物園を一周したんだという満足感と、固定した考えがあったようです。でも結局、素通りにしかなってないうえ、小さいころの絵本での固定した考え、つまりゾウはゾウ、キリンはキリンの考え方でしかなかったのに気がついたのでした。自分のあさはかさをしみじみ感じました。
動物園にくる大多数の方たちはレジャー目的としてくる方が多いでしょう。私なりにどうやったら、何十倍も楽しめるか考えてみました。動物について下調べをあらかじめしておくことはいうまでもなく言えてると思います。こんなかっこういいこといってますが、そういう私自身みなさんに比べたら、動物について全く知らなかったのです。
あと、角度をかえていろいろな方向から見たり、観点をかえたりする、一つの動物をずっと見つめる。一つのもの、例えばしっぽに注目したり、説明板をよく読むとか、あと飼育係さんがひまそうなのを見計らって質問をするのも良いと思います。
皆さんの中に理屈抜きできらいな動物などもいると思います。だけどずっとみていると、何となく愛ちゃくを感じさせませんか?日本平動物園は景色もきれいで、心がひろくなったような気がします。それも合わせてごらん下さい。
最後に、私達は自分達の事しか考えず、飼育係の皆様方には多大なご迷惑をおかけしました。それと同時に、普段あじわえない体験までさせていただき班員一同感謝の気持ちでいっぱいです。本当にどうもありがとうございました。
おわり

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