でっきぶらし(News Paper)

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51号(1986年05月)14ページ

レンズから見た動物達「タンチョウが孵化」

タンチョウが、四月下旬に産卵し抱卵を始めました。記録係として、当然収めておきたい写真です。しかし、ここには非常に困難な問題がついて回ります。
まず金網。少しでもいい写真をとピッタリくっつけようと思うのですが、ナワバリ意識の強いタンチョウがレンズを突っつきんくる悩みがあります。次に光線。午前中の早い時間帯なら何とか順光で撮れるのですが、仕事の都合上、どうしても逆光になる午後になってしまいます。
その上、こちらの思い通りのシャッターチャンスは、なかなか与えてくれません。五月三十一日の一羽孵化の朗報に、さあ育雛の様子をと思っても、親はヒナを抱いたまま一向に立ってくれようとはしませんでした。
これからも、シャッターチャンスはそうそう与えてくれないでしょう。時には、金網の目が入った証拠写真程度のものしか撮れないかもしれません。
でも、そんなことより、ヒナが元気に育ってくれればいい、そう思いながらレンズを向けています。
(佐野一成)

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