43号(1985年01月)11ページ
病院だより
昭和59年も終わり、いよいよ昭和60年代に突入!!昨年をふりかえってみますと、主な出産では、ベンガルヤマネコが4月11日に2頭(人工哺育)と7月16日に2頭(自然保育)がありました。一回目では産箱より子が落ちるという事故や停電が重なって人工哺育に切り換え、二回目では産箱を改良し、無事に親が育ててくれました。
また一昨年オープンした熱帯鳥類館では、アオショウビンというカワセミの仲間が6月27日4羽自然孵化し、大きくなっています。
モンキーアパートでは、8月24日ダイアナモンキーが1頭出産しました。この個体は娘ですからこれで二代目が誕生したことになります。その隣りのブラッザグェノンが今年も出産し、6年連続の子宝母さんとなりました。何年続くかたのしみです。
そして、モンキーアパート前にあるトラ舎でも通算37頭目の子が10月4日に生まれ、現在母親といっしょに元気で放飼場を走りまわっています。
このように、みんな元気にいてくれればいいのですが、そうはいきません。この世を去った動物達もいます。まず、2月4日にアルダブラゾウガメが肝硬変で死亡。5月6日にはダチョウが腹膜炎で死亡してしまいました。このダチョウは結局一度もあのりっぱな卵を産んでくれませんでした。
そして夏。昨年の夏は、猛暑でしたね!!その中でやはり猛獣も食欲がおち、ピューマは24日間なにも食べず、8月22日に死亡。解剖してみたところ、副腎皮質癌でした。それから一ヶ月後の9月21日、オランウータンのクリコが気管支肺炎で死亡してしまいました。3年あまり治療を続け、何度か危い時期もあり、そこをどうにかくぐりぬけてくれたクリコも、昨年の夏の暑さは、かなりこたえたようでした。
このように毎年生命の誕生と死がくりかえされ、動物園の歴史がつくられていきます。そしてだんだんに開園以来の動物が少なくなっていくと同時に、二代目が誕生してきています。
昭和60年に入り、おめでたのトップはマサイキリンで、2月20日ごろの出産予定です。この個体は御存知のように今まで2回出産していますが、いずれも子育ては人まかせ!!担当の佐野一成飼育課員が牛の乳を飲ませて育ててきました。今回は、3度目。『これがだめなら一生人まかせだろうネ!!』と半分あきらめ顔で、毎日キリンを見ています。でも、『始めよけれ終わり良し』ですから、数?ともうまくいって、今年一年無事にすごしたいものです。