でっきぶらし(News Paper)

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133号(2000年01月)21ページ

友の会コーナー:ズーラシア見学

【友の会ボランティア研修  (ズーラシア見学)に参加して】  佐渡友 章子



 今回の研修では、よこはま動物園ズーラシアを見学させていただきました。まず初めにその日1日お世話になった動物収集課長の木村さんから概要を説明していただき、ズーラシアのボランティアについても話してくださいました。まだ研修中ということでボランティアの方々とお会いする機会はありませんでしたが、ただ物を見せるだけの活動ではなく、園内の動物についてできるだけガイドできるようにただいま勉強中とのことでした。
 その後、入園する前に動物病院と繁殖センターを見せていただきました。一般 には非公開の建物であるにも関わらず、外壁などとてもおしゃれな造りをしていたことが印象的でした。スリッパに履き替えて病院の中に入ると、まるでドラマに出てくる大病院にあるような大きくて広い手術室や、まだ外国からやってきたばかりで非公開の動物がいた検疫室、オリの幅を狭めていき、動かないようにして危険な麻酔をなるべく使わないように済むという最新式の治療のためのオリなど、ただ新しいだけではなく今後の動物園のあり方というものについて十分に考えて造られていました。
 その隣には繁殖センターがありました。一部のオリでは、特に珍しくない黒い種類のトキが飼われていて、将来的に日本トキを扱うときことを考えて備えているのだそうです。最近動物園の役割として「種の保存」といわれますが、敷地も広く、動物のためのたくさんのスペースがあり、園としての意気込みみたいなものを感じました。

 園内に入ってみると、3連休の中日であることと晴天が重なり、1万5千人のヒト、ヒト、ヒト・・・。生態展示を重んじているということで、放飼場はのぞけますが動物の前にはヒトの山。デザインにも気を使ってあり、やたらと印刷物を張っていなかったり、動物名の入ったプレートは下の方に控えめに付けられていたり・・・。木村さんが「この動物は日本平にもいますから・・・」と言って通 り過ぎると、一体あそこに何がいたのだろう、といった状態。

 そんな中、人をかき分け職員さんに一生懸命付いていくと、ズーラシアならではの動物に関してはじっくり時間をとって、熱心に細かく説明してくださいました。それぞれの動物がどの動物園から来たかを全て把握していて、人垣で見れなかったけれどオランウータンの子供とオオアリクイが日本平で生まれたことを教えてくださいました。そして、絶滅に瀕した動物についてのエピソードや、オカピ発見の際の諸説など、いくら課長さんとはいえかなり勉強されているなと感じました。また、途中でこの混雑にも関わらず2カ所ほど非公開の裏側も見せていただきました。一般 のお客さんが通れないところを入っていくのですから、本当はやりにくかったのではないでしょうか。

 その裏側で、ゾウのオリを見せていただきました。去年の他園見学会で多摩動物公園でもゾウのオリを見せていただきましたが、ズーラシアのオリは、ゾウの体を支えるロープを引っかけられるようになっていました。ゾウは、病気などで立っていられなくなって横に倒れてしまうと、自分の体の重さで内臓が圧迫されて生命の危険にさらされてしまいます。そのために、もしそのようなことがあった場合にロープなどで体を支えて起こしてあげるのだそうです。
 このようにして木村さんには一日お付き合いいただき大変勉強になりました。その反面 、動物園ボランティアでありながら自分の知識の無さが恥ずかしく、反省させられる一日でもありました。これを機に、動物園の中の活動だけでなく、もう少し自分なりに勉強していこうと思います。

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