でっきぶらし(News Paper)

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72号(1989年11月)7ページ

一九八九年の話題を追う【ポニーの出産】

 「二十日おきにきちんと発情がきている。何とか妊娠させたい」は、担当者の口癖でした。しかしながら、どうしても悲観的にならざるを得なかったのは、オスのマミーが交尾が下手だけでなく、かなりの高齢で精子の力も非常に弱かったことです。
 それでもなんとかと、メスの発情がピークと見るや、担当者は交尾させました。根気強く、途中何度もがっかりした声を聞きましたが、決して諦める口ぶりではありませんでした。
 昨年、二月頃でしょう。乳腺が張ってきた、だから妊娠した、というのです。にわかには信じられません。柱?が早過ぎるだけでなく、担当者の主観時願望があまりにも強過ぎました。
 でもそれ以来、発情はピタリと止まりました。五月も過ぎると、乳腺だけでなく乳頭が張り出してきているのが、私達担当でない者にもはっきり分かるように。正に担当者の執念です。
 指折り数えて、十二月だ、十二月の下旬には生まれると、担当者は最善を尽くす為にあらゆる人にアドバイスを求めました。
 馬年直前に生まれるなんて、なんとドラマチック。これも担当者のたゆまぬ努力あってこそです。ポニーの親子を温かく見守って上げて下さい。
(松下憲行)

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