でっきぶらし(News Paper)

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97号(1994年01月)4ページ

人工哺育 その個体を追う(その2)

動物の育ち方、育て方をテーマにして、先月、犬山市のモンキーセンターにおいてその研究発表会がありました。
もちろん、サルが主体です。サル以外のことは語られません。が、母子のありよう、子がどう育ってゆくのかを見つめる場合、サルから見始めてゆくのがいちばん分かり易く、面白いように思います。
例えば、子育てのパターン。ベルベットモンキーに見られた、愛情細やかに育てられた子は自らが母親になるとやはり細やかに面倒を見るようになり、淡白に育てられた子はやはり淡白な育児をするなどの話は、面白くもちょっぴり考え込む育児の文化です。
嘆かわしいチンパンジーの例。母の育児光景を眺め、時には自らも子守りをしながら、いざ母親になると失格です。飼育下の過保護的な環境が誤解を、育児は自らがするものではなく、母親がするものだと思い込んでしまった節があるのです。これなど、当園でサル以外で確かにそうだと言える例があります。

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