138号(2000年11月)11ページ
巳の年に 村田 千佳子
この号の出る頃は、2001年も初めての暖かい春を迎えているでしょう。でも、この原稿を書いているのはまだ1月も上旬なので、お正月気分が少し残っているのをお許し願います。
私の父は巳年生まれ、本年で八十四歳になります。実際には今年後半ですけれども・・・。こう書いている私自身、親の年齢におどろいています。
「へび」というと、聞くだけでも嫌う人は多いようです。さすがに「友の会」の方達にはあまりいないようですが。 これは子供の頃から、いいえ、いにしえの昔から人の理解を超える生物(鳥や魚だってそうなんですけれども)としておそれられ、あがめられてきたからのようです。
さて、休日の天気の良い日に、はじめて子供動物園に来られた方は、びっくりするでしょうね。若い女性や小さな子供が、大きなへびを首に巻いて、うれしそうにニコニコしたり、こうふんしたりはしゃいだりしている姿を見て。そして近づいていって、みんなの間からおそるおそる手を伸ばし、そっとへびにふれてみたなら、二度目のおどろきを感じることでしょう。たぶん今までイメージしてきた「へび」は、ウロコとともに目からポロリでしょう。そうです、意外なさわり心地を経験するでしょう。中には、モノの見方や考え方にまで影響を与えられる人もいるでしょう。一方的な先入観にとらわれず、まっすぐ見直してみることを。