39号(1984年06月)2ページ
昭和58年度 動物園の1年 後編
カメラを構える飼育係の姿が、あちこちで目に付きます。とりたてて珍しいことが起きている訳ではないのですが、上から下から横から、レンズを向け、生きた動物の表情を捕えようと必死です。
今年の8月1日で、日本平動物園は丸々15才になります。そこで記念に写真集が作れないか、という話が持ち上がりました。動物を飼育する、その決められた仕事をこなしながら、かつ、ZOOしずおか、でっきぶらし、ムジナ会(飼育係の勉強会)も滞らせずにやろうとしたものですから、初端より無理は生じました。
でも、何物にも勝るのはファイトです。やる気さえあれば、出来生えはどうであれ、熱い心のこもった写真は集まってきます。記念誌の話があるずっと以前から、まめに動物写真を撮っていた飼育係も何人かいました。そうした写真も持ち寄り、いよいよ骨格が出来あがりつつあります。
完成までにはまだまだ月日を要しますが、飼育係の“熱い血潮”に裏打ちされた、いい写真集ができあがりそうです。期待されていいでしょう。
さて、動物園の1年。先月号で前半の主な出来事を紹介しました。気の赴くままに書いてゆくと、思わず予定をオーバーしそうになりました。平凡なようでありながら、語っても語り尽くせぬ様々な出来事に、いつも感心させられます。狭い囲いの中でも、動物は一生懸命生きているのです。そう強調したところで、後半の部に入ってゆきましょう。