39号(1984年06月)13ページ
野生傷病鳥獣保護で、てんてこまい!! タヌキ
(八木智子)
やはりこちらも常連! タヌキの子供が3回にわたり、なんと19頭も保護収容されました。最近、タヌキが増えているようで、昨年に保護されたのは21頭です。哺乳類では一番多く、2位のハクビシンは8頭ですから、群をぬいて1位の座をしめています。
タヌキの赤ちゃんは、全身が黒っぽく、時々『あの〜、クマの赤ちゃんを保護したのですが・・・』などと勘違いして言ってくる人もいるくらいです。よほど弱っている場合や、怪我している時は別ですが、その寝ぐらの近くには必ず親ダヌキがいるはずです。子供を見つけても『かわいそう!お母さんとはぐれてしまって・・・』と思わないで、今一度そっと様子を観察してみていただきたいと思います。やはり親に育てられるのが一番いいのです。
まぁ、そんなわけで19頭の子ダヌキが動物病院にやってきましたが、下痢などで死んでしまったものもあって、ただ今7頭の子ダヌキがいます。ですから、朝の仕事はまずこの子供たちにミルクを飲ませることから始まります。犬猫用のミルクを小さな哺乳ビンに入れて、『さて、どの子からいきますかな?』と順番にやっていくわけですが、どの子が飲んだのかわからなくなってしまう時もあります。
この子ダヌキたちが一人前になったら、病院はまたしてもタヌキ御殿となり、動物病院からは相変わらず、タヌキとハクビシンはいなくならないようです。