でっきぶらし(News Paper)

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45号(1985年06月)9ページ

動物園の1年 総括編

 例によって保護動物には触れずじまいに終わりました。これは、今までと同様で一番気に掛かるところです。であれば、昨年同様にもう一度総括、繁殖、死亡、来園、出園から保護動物までの主なものを抜粋して紹介しましょう。

◎繁殖
4月8日    チリーフラミンゴ(2回目)
  11日   ベンガルヤマネコ(人工・初)
  18日   ベニイロフラミンゴ(3回目)
5月3日    ブラッザグェノン(6年連続)
  7日    アメリカバイソン(7頭目)
6月21日   アオショウビン(自然・初)
   23日  フンボルトペンギン(自然)
7月16日   ベンガルヤマネコ(自然・初)
8月24日   ダイアナモンキー(3代目)
10月4日   ベンガルトラ(37頭目)
   12日  パルマワラビー(自然)
   21日  アキシスジカ(6頭目)
11月18日  チリーフラミンゴ(3回目)
12月30日  ナマケグマ(自然・初)
2月18日  マサイキリン(人工・3回目)
3月10日  ワオキツネザル(自然)

◎死亡
5月8日   ダチョウ・メス(開園以来・腹膜炎・敗血症にて死亡)
8月22日  ピューマ・オス(開園以来・副腎皮質癌にて死亡)
9月10日  アミメニシキヘビ・メス(飼育歴6年2ヶ月・爬虫類館を代表した大蛇・膿瘍・胃内寄生虫症にて死亡)
   21日  オランウータン・メス(開園以来・気管支肺炎にて死亡)
   22日  ヒイロニシキヘビ・不明(開園以来)
10月28日  ベンガルヤマネコ・メス(飼育歴2年・中華人民共和国・西安市より寄贈・胃出血にて死亡)
12月5日   アネハヅル・メス(開園以来・肝臓癌にて死亡)
   9日   ニセコブラ・オス(開園以来・腹腔内膿瘍にて死亡)
2月9日    モモイロペリカン・メス(飼育歴10年2ヶ月・タヌキ?と格闘死)
3月15日   ショウジョウトキ・オス(開園以来・心膜炎にて死亡)
   18日   アカコンゴウインコ・オス(開園以来・肝疾患・肺・腎出血にて死亡)
         オオバン・オス(開園以来・精巣腫瘍にて死亡)
 
◎来園動物 
 大きな獣舎の建設がひとつもなく、従って昨年のように大挙して、いろいろな動物がやってくることはありませんでした。それでもシーズンを通してみれば、哺乳類が6種類、鳥類が10種類、爬虫類が11種類、両生類が1種類。思ったよりも多くの動物が来園していました。その中の主な動物は―。
 ルーセットフルーツコウモリ、飛んでいるコウモリを見せることが当初の目的であった為に、従来の大型のコウモリから小型のコウモリに替えられたのを初め、ツチブタのメス、中華人民共和国より贈られたヒゲワシ、アオカケイ、若い個体に入れ替わったグラントシマウマ、爬虫類館のバシリスク、アゴヒゲトカゲ、コモリガエル(両生類)辺りでは、と思われます。
 
◎出国動物
 産まれた動物全てが、当園で飼いこなせる訳ではありません。又、将来構想から外れ、放出しなければならないケースも出てきます。主なものを拾い上げれば―。
 マレーバク、4月27日に福岡市動物園へ繁殖目的の為に貸し出されました。
 エリジロオオヅル、11月26日、親子・夫婦3羽ともに放出されました。長年、繁殖の話題をさらっていましたが、将来構想から外れ、タンチョウにその地位を奪われました。
 コンドル、アカガシラエボシドリが、行川アイランドへ。目的、方法はマレーバクと同様です。
 キンカジューは、3月29日に千葉動物園へ。よもやと思われた出産も、1月1日にありました。もうひと花咲かせるでしょう。

◎保護動物
 哺乳類は、相変わらず数えるのが楽です。
タヌキ     44
ハクビシン  14
キツネ      1
アナグマ    4
コウモリ     4
ムササビ    2
ホンドハツカ  2
ニホンカモシカ 1
の計8種、72点でした。
 タヌキが異常なくらいの多さです。昨年の倍以上ですから驚きます。人工哺育しなければならなかった子も13頭に及びました。他、ニホンカモシカが数少ないながらもこのところ毎年のように顔を出すようになっています。
 鳥類は、毎年多様です。種名を一つひとつあげるのは、とても無理。単純に計算しただけでも、41種類に及びます。
 目に付くのは、やはり平凡な鳥類。ツバメ、ムクドリ、ヒメアマツバメ、トビ、ゴイサギ、カルガモ、ハシボソミズナギドリ、キジバト等でした。
 キビタキ、コマドリ、ウグイス、メボソムシクイなどの保護は、違法飼育が原因。他にやや珍しいものとして、アオゲラ、ツミ、ツルクイナ、キンイロハジロ、アカエリヒラアシシギ、ツツドリ等の保護があげられるでしょうか。
 昨年からの傾向、常連だったオオコノハズク、アオバズクの保護が減って、ヒメアマツバメ、キジバトの保護が増えているのは、変わっていませんでした。

 以上、1984年度の動物園の1年でした。

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