でっきぶらし(News Paper)

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61号(1988年01月)10ページ

動物病院だより

 桃や桜のつぼみが少しずつふくらんできているのを見つけた時、なんとなく気分がウキウキしてしまう、そうした経験、ありませんか?
 園内の木々の芽がのび始めてくると、不思議と動物園においでになるお客様の数もふえてきます。平日は、幼稚園や学校の遠足でとてもにぎやかです。そういった時、一番喜ぶ動物は?まずローランドゴリラのオス「ゴロン」ではないでしょうか?タイヤにぶらさがってグルーンと一まわりすると、子供達が大拍手を送ってくれます。それに「アンコール、アンコール」のコーラス。「それならば」とばかりに胸をたたいてドラミングをしながら近づいてきてくれます。「ウァー!!」という子供たちの歓声を聞いてゴロンは満足そうに腕を組む―。そんな情景が見られるようになります。
 休日となると、友達や家族連れで、お弁当を持ってのんびり・・・お父さんはと見ると、芝生の上に敷いたビニールシートの上でグーグーとお休みになっていらっしゃいます。
 春、動物達も活動のシーズンとなります。鳥達のなわばり争いも盛んになってきます。当園のフライングケージを御存知でしょうか。その中にカナダガンがいるのですが、この鳥は身体が大きいので、グァグァとなきながら他の鳥達を追って自分達の営巣の場所を確保していきます。ですから身体の小さいアメオシやオシドリ達は、できるだけ近づかないよう気をつけなければなりません。それでも昨年3羽くらい、やられてしまっているのです。生きていくこと、大変なんです!!
 その他、アメリカバイソン、グラントシマウマ、マサイキリン、ワオキツネザル・・・と出産が予定されており、私達にとっても不安と生まれてきた時の喜びが味わえる充実した季節です。
 皆さんがこの次動物園にいらした時、仲間がふえていますよう願っていますが、こればかりはお約束できません。残念ながら・・・。どうかなと期待しつつ、いらして下さい。お待ちしております。
(八木智子)

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