でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 30号の5ページへ30号の7ページへ »

30号(1982年11月)6ページ

ゴリラのカン

(小野田祐典)
ゴリラ、チンパンジーの飼育担当になって早くも3年が過ぎました。その間ゴリラの代番者は同じ飼育課員ですが、チンパンジーの代番者は毎年のように変わり、現在では4人目の池ヶ谷飼育課員が行なっています。これまで担当替えのあるたびに、その日より1週間ぐらい、オスのゴリラ(ゴロン)は、かならず神経性の軟便になってしまいます。
ゴリラ舎には、他の飼育課員も毎日多く出入りしますが、普段ではこのような軟便は見られず、ゴリラがどうして新しい職員に変わった事を感じるのか不思議でなりません。チンパンジーの代番者になったとしても、その日より代番作業をするわけでもなく、ゴリラ、チンパンジーに接するわけでもないのに・・・。
ゴリラの寝室の奥にチンパンジーの寝室があるので、チンパンジーの代番作業をするたびにどうしてもゴリラの寝室の前を通らなければならないため、ゴリラにも馴れてもらう必要があります。そこで代番でもないゴリラにもおぼえてもらうために、毎日池ヶ谷飼育課員はヨーグルトを与えることにしました。ゴリラも最初のうちは、ヨーグルトを持っていっても、知らん顔をしている始末で、職員をこまらせていました。しかし今では、そのような事もなく、呼べば来るようになりました。
ゴリラは、大変神経質で内気であると言われていますが、こんなに感がはたらくとは思っていませんでした。またメスよりオスの方が感じやすく神経質なのか、メスはほとんど神経性軟便になったことはありません。

« 30号の5ページへ30号の7ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ