でっきぶらし(News Paper)

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32号(1983年03月)1ページ

人工哺育 (その1) 〜原因〜

当園も昭和44年8月1日に開園してから、今日まで数多くの動物の子供が生まれ育ててきた。本来、母獣が子を育てるのが望ましいが、いろいろな原因により飼育係が育ての親となり、ミルクを与え人工哺育した例も多い。
野生においても、すべての動物の子供が育つとはかぎらず、成獣になるのはほんの数パーセントにしかすぎない。
動物園というかぎられた場所での飼育が原因となって、人工哺育することもあるが、野生の動物と共通した点もいくつかある。
人工哺育しなければならない原因として、(1)子の育て方を知らない。(2)安心して出産する所がない。(3)難産のため母親が疲労したり、乳の量が少ない。(4)雑居飼育のため、他の動物に損傷を受けた。(5)寒さにより衰弱した。(6)母親の死亡、子の病気。等があり、例外として野生の動物の子が保護収容された時、幼獣で入園した時があげられる。野生の場合、このような原因の時には、ほとんどの子供は死亡してしまうと思われる。
人工哺育された動物には、いろいろな問題点が生じてくるが、動物園においては、どのような状態におかれている動物であっても、できるがぎり育てるのが我々飼育係の使命である。

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