でっきぶらし(News Paper)

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32号(1983年04月)1ページ

人工哺育 (その2)

動物の中には幼児期に動物園にきて、ミルクで育てられた動物や、動物園で生まれ何らかの理由によって人工哺育された動物があります。その動物が成獣になり出産しても、子の育て方を知らない為に、その子供も人工哺育される場合がどうしても多くなります。特に、サルの仲間に多く見られ、当園においても、オランウータン、チンパンジー、マントヒヒ、ハイイロキツネザル等が、それらの理由により、人工哺育されています。
野生の動物には、子の育て方を知らないために、子供を殺してしまうというような事はないと思いますが、動物園のように制約を受けた所で育てられると言うことが、原因の一つではないでしょうか。
群で生活をしているサル達は、出産、育児を見て、又遊びを通じて学習をしているものですから、人間に育てられた動物は、その動物のルールを知らない為、仲間に入っていく事が困難となる訳です。
しかし、人工哺育された動物で初産にもかかわらず上手に子を育てた事が報告されています。我が国でも、栗林公園、京都動物園のゴリラはその例といえます。かならずしも学習がすべてではないが、動物が仲間と生活していく以上、これがかなりのウェートをしめている事はたしかです。

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