でっきぶらし(News Paper)

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32号(1983年04月)5ページ

動物園だより

園内の桜も咲きはじめ、ポカポカ陽気にさそわれて、このところ多くの人々が動物園を訪れています。友達と、恋人と、親子で、また、おじいちゃん、おばあちゃんの姿もみかけます。そしてベンチや芝生にすわり、おべんとうをひろげて楽しそうです。
たくさんの人々が、動物園を訪れることは、私達にとって、とてもうれしいことですが、飼育職員としては、手放しで喜ぶわけにはいかないのです。なぜだと思いますか?皆さんは「月曜病」という言葉を聞いたことがありますか?人間では、日曜日に遊び過ぎて、翌日、学校や会社にでかけるのに疲れが残っていて、体調が良くない状態をいいますネ。
私達が月曜病というのは、日曜日に来園した人達が、次から次へと動物にお菓子を与えます。昼寝している動物に対して、動かないからつまらないと、木の枝などを折ってきてフェンスのすき間から入れて動かそうとしたり、放飼場に石や空缶などが、投げ入れられたりしています。その結果、翌月曜日に下痢をしたり、怪我をしている動物がでてくるのです。とても悲しいことですね。
私達は、園内を見回り、お菓子を与えていたり、いたずらをしている人を見かけると注意していますが、たくさんの人々が訪れる日曜日はなかなか目がゆきとどきません。
「でっきぶらし」を読んで下さっている皆さん、もし、そういった人達をみつけたら、教えてあげて下さい。
◎おかしをあげると、どうぶつたちは、おなかをこわしてしまうんだよ。
◎おひるねをしているんだから、そっとみようよ。
(八木智子)

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