でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

34号の2ページへ »

34号(1983年07月)1ページ

人工哺育 (その5) 〜キリンの場合〜

成獣になると、身長5メートル以上にもなる、動物の中で一番のノッポのキリン。生まれたばかりの子供でも、人間の大人の身長ぐらいはあるが、このキリンの人工哺育を当園では、昨年に続き今年も行なっている。
昨年行なった一樹(愛称名)の時には、乳首も哺乳ビンも人間用のものを使っていたが、1回に飲む量が多い為、ミルクを入れるのに面倒なこともあって、もっと大きな子牛用の哺乳器具を購入した。結果は失敗に終わった。人間用の乳首になれた一樹は、なれない大きな乳首だと飲もうとしないので、離乳させるまで人間用の乳首を使用した。
今年も、同じメス親が出産したが、やはり授乳させない為に、人工哺育を行なっている。今回は、最初から牛用の哺乳器具を使用しようとしたが、どうも吸いつきにくいのか、口の中で遊んでいるので、しかたなく人間用の乳首に変えたところ、スムーズに飲むようになった。しかし、1回に飲む量が多いため、1リットルのプラスチックのビンの先と、人間用の哺乳ビンの先を切り取って、接着剤で付け合わせて使用している。
あの大きなキリンの赤ちゃんが、人間用の乳首でしかミルクを飲まないとは・・・。

34号の2ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ