でっきぶらし(News Paper)

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34号(1983年07月)5ページ

チンパンジー「リッキー」の成長の様子 〜ヨチヨチ歩きできるんだぞ!〜

(小野田祐典)
みなさん、こんにちは。
僕の成長の様子を、毎月読んでくれているかな。
先月、おじさんと約束したとおり、今月から僕も離乳食を食べるようになったんだ。まず、最初はリンゴジュースから始めたんだけど、すぐリンゴのすったのとバナナを食べるようになったんだ。だけど、おじさんがリンゴのすったのを口の中に入れてくれても、どうしていいのかわからないので、すぐ口から出してしまったんだ。そうしたら、おじさんは口の中に押しこむので、僕はしかたなく口の中で遊んでいると、だんだんなくなってきて、しらない間に食べてしまうんだ。このような食べ方をしているので、10日ごろまでバナナ1/4本、リンゴ1/4個食べるのに30分ぐらいかかってしまい、おじさんはいらいらしていたよ。
毎日お昼ごろ食べているけど、だんだん食べるのが上手になってきて、20日ごろにはバナナ1/2本、リンゴ1/2個を15分ぐらいで食べるようになったんだ。口から出すこともなくなったので、日光浴しながらバナナを食べていると、お客さんが寄ってきて、
『バナナおいしい』、『たくさん食べるだよ』、『上手に食べるね』とか、いろいろなことを言ってくれます。
離乳食を食べるようになったら、ウンチの量も多くなり、オシメをしていたら僕の可愛い小さなお尻が赤くなってきて、オムツかぶれになっちゃったんだ。おじさんは僕のお尻にシッカロールという白い粉を付けて、オシメをしないでいたら、少しずつ良くなってきて、15日ぐらいで治ったんだ。それから、僕はオシメをはずしているけど、日光浴に行く時には、ちょっとはずかしいな。
僕は、20日ごろまでタオルをかかえ、寝ころがったりすわったりして日光浴していたんだけど、手と足にちからを入れてふんばったら、4つ足で立つことができたんだ。『あっ、立てたね。歩けるかな!』とおじさんが言ってくれたので、僕は得意ぶって、体をゆすって見せてあげたんだ。そうしたら、おじさんは僕から1mぐらいの所へ離れていってしまったので、おいていかれると思い、手足を動かしたらスローモーションだけど歩く事ができたんだ。夢中でおじさんの所まで歩いていくと、『やっと歩けるようになったね。』と言って、僕を抱っこして頭をなでてくれたんだ。うれしかったな。
だけど、すぐまたタオルのあるもとの所に僕をおいて、おじさんは1mぐらい離れていってしまい、『さあ、もう1度歩いてきてごらん。』と言って、手をたたいているんだ。さっきは、僕も夢中になって歩く事ができたけれど、こんどは自信がないな。どうしようかと思っていると、おじさんは、『早く来いよ。さっきのようにすれば歩けるよ。』と言っているので、手足に力を入れて、4つ足で立ち、おもいきって歩いていったんだ。けれど、3〜4歩歩いた所でずっこけてしまったんだ。僕も男の子だ!ナニクソと思って、もう一度ふんばり、どうにかおじさんの所まで歩いていったんだ。おじさんは、僕をすぐ抱きあげてくれたので僕は、『もう、離れた所にいかないで!』と、力いっぱいおじさんに抱きついたんだよ。
こうして僕も、だんだん歩く事に自信がついてきたので、6月の終わりごろには、時々おじさんから離れて遊べるようになってきたけれど、やっぱりおじさんが近くにいないと不安なので、おじさんの所へ行っては甘えているんだよ。
雨の降っていない日には、12時ごろから日光浴しているから、僕の歩く姿を見てね。まだヨチヨチ歩きだけど、笑わないでね。

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