でっきぶらし(News Paper)

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34号(1983年07月)6ページ

当園で2回目 コンドルの人工孵化

(八木智子)
昨年に続いて、カルフォルニアコンドルの雛が、6月15日に孵卵器内で無事孵化した。ハシ打ち(雛が殻を破ること)から3日もかかり半分は担当のおじさんが手伝って、割れた穴をすこしずつ大きくして、どうにか誕生させることができた。孵化直後は、身体がぬれているため赤肌にうっすら白毛がくっついているようで、頭は黒くて、身体の割に大きく感じた。
今回は、オスの特窒ナある上嘴に肉鰍ェないので、どうやらメスのようである。体重は、昨年と同じぐらいで、156.5gであった。孵化して半日は、そのまま孵卵器内に入れ、その後人間用保育器の中で育てている。
餌は、ヒヨコとモルモットの内臓や肉を細かくして与えている。最初はピンセットで口元まで持っていって食べさせたが、すぐに自分で食べに口をもってくるようになった、1日4回(1回5〜10g)食べたいだけ与えてみた。すると1週間で体重が35.5g増え、192gとすばらしい成育ぶりだった。ところが、ここに問題があった。身体が重くなりすぎて、肢がその成長についてゆけず、左肢が内側にまがってしまったのである。そこで、ガーゼで枕をつくり肢にプラスチック板をあてて、矯正した。1日4回与えていた餌も3回にして、少しずつ餌の量を増やしていくようにしてみた。
このように矯正を行なったところ、1週間後には左肢も完治し、うまく歩けるようになりほっとした。
6月30日現在で、体重378gとなり、ベージュ色の羽毛で被われている。餌も1日100gを越す量を食べるようになり、順調に成長している。病院にいるので会いに来てネ!

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