でっきぶらし(News Paper)

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35号(1983年09月)4ページ

新着動物 〜 ジェフロイクモザル 〜

(藤沢誠)
昭和58年7月28日、ボウシテナガザルのドンと入れ替りに来園したのが、ジェフロイクモザルのオス1頭、メス2頭の計3頭です。
どことなく愛嬌のある顔、反面なんとなく不気味な感じのする容姿。この3頭の中に入って行くことが出来るのだろうかと、心配しながらもボートに檻を乗せ島に渡りました。1頭そして2頭、3頭と檻から出すと、3頭はそれぞれ木に登って行く。持っていたバナナを差し出すと手で受取り食べ始めました。
 岸にもどった私は、この新しく仲間になった3頭に名前を付けてあげなければならないなと、仲間の飼育課員達と話を始めました。『あのメスには、おしんという名前はどうだろう。』そうです、テレビで人気のおしんです。『オスはりゅうぞうで、もう1頭のメスはおかよかな。』と、そんな冗談話をしていたのです。
翌々日、私は公休日。寝ぼけ眼で新聞を広げると、『おしんです、よろしく。』と言う見出しが眼にうつりました。冗談話の名前が、本当になってしまったのです。それ以来、3頭の名前は、そのように呼ぶようになりました。
それでは、ここでジェフロイクモザルについて説明させていただきます。
メキシコ、ボリビア、ブラジルなどの熱帯林にすみ、体長は40〜60cm、尾は長く50〜90cmもあり、体重は6kgぐらいです。尾の先は内側が3分の1ほど裸出しており、物に巻きつけたり、物をつまみあげたりすることができます。ちょうど第5の手のようなもので、この尾を利用して樹間をすばやく渡り歩き、からだをささえ、バランスをとってさまざまな曲芸のようなこともできます。手には親指がなく、他の4指は細長く伸びています。4肢は細長く、腹は丸く突き出ています。この丸い腹と細長い4肢と長い尾、さらに、ひじやひざを張り出して歩くかっこうなどから、なんとなくクモを思わせることから、名前が付いた事と思います。
当園での餌の種類。
リンゴ、バナナ、パイナップル、トマト、オレンジ、甘藷、人参、青菜、パン、ゆで卵などです。

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