でっきぶらし(News Paper)

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40号(1984年08月)1ページ

5本目の手足

 南アメリカ地方に生息する新世界サルの中には、尾で物を自由自在につかむ事のできるサルがいます。
 それは、オマキザル、クモザル、ホエザルの仲間ですが、オマキザルの中には個体によって(特にリスザル)それほど使おうとしないばかりか、尾は完全に毛に包まれて、長さもクモザルやホエザルよりも短いのです。
 クモザルとホエザルの仲間は、餌を尾に巻きつけて運んだり、尾だけで枝にぶらさがったり移動することもでき、手以上に器用に使うことができるぐらいです。しかも、その物を見ないで的確につかむことができ、尾の先にまるで目がついているかのようで、その尾の動きはサルの体とはまったく別の生き物のようでもあります。
 また、尾の先の下面には毛がなく、指紋と同じような尾紋のある皮フになっており、鋭敏な感覚をもっています。
 そして、2本足で立つ時には、カンガルーのように尾を支えに使うこともあり、5本の手足があるのと同じです。
 当園には、モンキー舎にシロガオオマキザルが、池の島にはジェフロイクモザルが、第2小型サル舎にリスザルが飼育されているので、比較して見たら面白いのではないでしょうか。

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