でっきぶらし(News Paper)

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41号(1984年10月)10ページ

爬虫類館10年 その2 熱よ逃げるな!(冬場の苦労)

 冬場は、黙っていても苦労させられる時期です。雪、雨、風で動物たちが縮みあがれば、風邪をひかないか、お腹をこわさないか、ハラハラしてきます。哺乳類や鳥類でさえこれです。変温動物の爬虫類ともなれば、変に温度を下げてしまうと、餌を食べないどころか動くことすらままならなくなってしまいます。
 暖かい空気は、上へ上へと逃げてしまう為、天井に扇風機をつけて軽く回し、部屋全体の気温を上げたりしたのは、かなり以前の工夫です。それぐらいでは室内の保温はままならず、担当者が次に思いついたことは、発砲スチロールで部屋全体を覆ってしまうことでした。これは効果てきめん!冬のどんな寒い時でも、室内はポカポカの陽気となりました。それでも担当者は、冬がくるたびに春を待ちどおしそうにします。どんなに暖かくても、それは人工的なもの。彼等はそれに敏感に反応し、餌食いがガタッと落ちてしまうからです。3月も陽気のよくなった頃に、担当者の顔にようやく笑顔が戻ります。もちろん餌食いがグンと伸びるからです。

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