でっきぶらし(News Paper)

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42号(1984年12月)1ページ

側頭腺

 ゾウの目と耳のまん中付近から、汗のように液状のものがしたたれ落ちているのを見たことがありますか?これは、側頭腺と呼ばれる皮膚腺で、一種独特の臭いのする液を分泌しています。側頭腺は雄雌ともに、またどの年令でも分泌して、高年令になるほど大きくなっていると言われています。
 先ほど「汗のように」と述べましたが、側頭腺の場合、体温があがったからといって分泌が盛んになるようなことはありません。アダムスらがアフリカゾウを使って、この側頭腺について化学的に分析し、その機能について研究しました。その結果、分泌液の主成分はコレステロールで、ストレスや興奮することによって分泌が誘発されることがわかりました。また、最近の研究では、分泌液が四十種類以上の化合物からなっていることもわかりました。
 インドゾウにもアフリカゾウと同じ構造の側頭腺があります。が、機能的には異なるようで、インドゾウの場合は性活動に関係していると言われています。
 さあ、今度動物園に行った時、ゾウの顔をちょっと横から観察してみてください。運がよければ、ごらんになれると思います。

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