でっきぶらし(News Paper)

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42号(1984年11月)1ページ

北限のサル

 この地球上にサルの仲間は200種類ぐらい生息していると言われています。
 その中で、一番北で生活しているサルは、私たち日本人にとって一番身近にいるニホンザルです。もともとは南アジアに生息していたようですが、徐々に北上し、一部が日本列島に到達しました。その後日本全国に分散し、本州の北端である青森県の下北半島や津軽半島にまで達したのです。
 もともと暖かい地方に住むサルですから、寒さには弱いはずです。では寒い地方でどうやって生活できるようになっていったのでしょう。
 秋になると、活発に動き回り、クリやブナ、ヤマブドウなどの木の実をせっせと食べ、体力をつけます。そして夏の間には短かった柔毛が、長く密にのびて外気から自分の体温を守るわけです。また、サル達は、木々の梢に幾頭も抱き合い、じっと動かず、春の来るのを待ち望んでいます。
 テレビのコマーシャルに、温泉にのんびり入っているサルたちが登場していますが、彼らにとっても寒い冬は厳しくつらいものなのです。
 そうか!秋は体力をつけなくてはと、モリモリ食べるあなた、ちょっと待ってください。寒い冬、あなたはきびしい雪の中にいるつもりですか?

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