でっきぶらし(News Paper)

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42号(1984年11月)9ページ

病院だより

 このところすっかり晩秋といった感じで、夕方の見回りも足早にやらないと、暗くなって動物の様子がわからなくなってきています。
 今月のおめでたいニュースは、10月4日にベンガルトラが出産したことです。この母親(カズ)は今までに37頭出産し、そのうち30頭の子供を育てあげているベテランママです。このベテランママにも、このところの2度のお産では、なんとなく落ちつきがなくて、そのため子供も動きまわり、おへそから細菌が入ってしまい3頭死亡。かろうじて1頭は人工哺育で大きくなっていました。(みなさん御存知のケンちゃんです。)
 今回、9月に担当替えをしたのでどうなるか心配でした。10月4日午後3時頃、1頭出産していました。そのあとのぞいても、いつものように鼻をならし、落ちついた様子で乳をのませ、本来のカズにもどっていました。赤ちゃんはメスで、体重は10日目で1850kgでした。今日(11月10日)計量したところ、4450gにふえ、大きな声でないています。母親のカズもおばあさんになってきたので、今後この娘を跡取りに残しておこうかと話しています。 
 さて、動物病院には、大きく分けて3つのケースで動物が入ってきます。まず一つ目は、園内の動物が病気あるいは怪我をして、入院が必要な場合です。2つ目は、園外で傷ついた野生の鳥や獣が持ちこまれてきます。
 もう1つのケースとして、新しく展示する動物の検疫が行なわれています。糞便検査や細菌検査をおこない、病気にかかっていないか調べます。餌を与え、食べるかどうか見ます。だいたい1週間から10日くらいで問題がなければ、獣舎に展示されるわけです。
 今月、マメガン、ニジキジ、イワドリ、ツチブタの検疫を行なっています。ニジキジは10月28日キジ舎に、イワドリは11月9日熱帯鳥類館に展示しました。ツチブタは治療中です。そしてマメガンは、オス3羽、メス3羽入ったのですが、次々に死亡してしまい、結局1羽も残りませんでした。
 1度換羽するまでは、身体をぬらさないようにとの注意があったので、気をつけたつもりなのですが・・・。ちまたのうわさでは同時期に上野動物園にも入ったそうで、そちらは元気であると聞いて、もうガックリ!
 技術が未熟で、すみません!(八木智子)

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