でっきぶらし(News Paper)

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44号(1985年03月)7ページ

涙を飲んだ動物たちへの仲間入りは【アカテタマリン】

 昨年一月二十三日、第二小型サル舎がオープン。その時に四種類のマーモセット類が、新たに展示されました。その中でトップを切って繁殖したのが、アカテタマリンです。
 夏の暑い盛りの中での誕生でしたが、子育てにはそう悪い時期ではありません。しばらくは順調に育ち、可愛らしさをそこら中いっぱいに振りまいていました。
他の動物園よりもわずかに遅れをとり、繁殖賞の対象とは成り得ませんでしたが、健康に育ってくれればよいのです。それが一番の喜びです。
 秋もやや深まろうとした頃、突然の悲報。経過を知らぬ者にとっては、それは全く唐突な知らせでした。聞けば「やたらに肉類を欲しがるようになったので、懸命に与えたがダメだった。ちょっと与えるタイミングが遅過ぎた」と言うことでした。
 南米産動物の子育てのむつかしさ、改めて思い知らされました。が、これはオス、メス共に健在です。来年どころか、年内には充分期待できます。再びその日を待ちましょう。
 その他、ダイアナモンキーのおばあさん?が、最近は流産、死産を繰り返すようになっています。アキシスジカが春先に膣脱を起こし、結果的に先に産まれた子共に―。
 更に動物病院でながらキンカジューが久々に子を産んだと思いきや、食殺。オグロワラビーに至っては、袋より顔をちょくちょく出すようになり、さあ、あとひとヤマ乗り越えてくれればと思っていた矢先、二月の寒い最中に袋より落ちて死亡。日中なら何てことはなかったのですが、夜間の出来事故助けようもありません。
 これらも、見ようによっては涙を飲んだ動物への仲間入りです。が、過去に繁殖したことがあったり、他の個体によって増えたりしています。しかも、キンカジューを除き、その実績は大きいものです。

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