でっきぶらし(News Paper)

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44号(1985年04月)1ページ

クマ

 おどけた表情のクマは、多くの人々に愛され、親しまれています。当園にはホッキョクグマ、ニホンツキノワグマ、そしてナマケグマの三種類が飼育されています。このうちのナマケグマが、昨年の十二月三十日に生まれ、四月十一月より一般公開されています。母親の背中にのったり、母親の後をいっしょうけんめいについて歩く姿はかわいらしく、久しぶりにクマ舎の前に人だかりができています。
 クマには「着床遅延」という現象を示すものがいます。受精卵が子宮に着床しないで発育休止のままとどまっているのです。わかりやすくいうと、交尾は春にみられますが、この時期は冬ごもりからでてきた後で、巣穴のあった場所に集まってきます。が、夏になるとクマ達は分散してしまい、出会う可能性は少なくなってしまいます。そこで春交尾して受精した卵は、ある程度のところでお休みをして、冬ごもりの時に赤ちゃんが生まれるように時期をみて、再び発育し始めていきます。ですから、ほんとうの妊娠期間は一〜二ヶ月ぐらいです。だから生まれたばかりの赤ちゃんは、あの大きなクマさんからは想像つかないほど小さく未熟な子供です。未熟でも母親が強いから、外敵から子は守られ大きくなれるわけです。

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