でっきぶらし(News Paper)

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46号(1985年07月)11ページ

動物園こぼればなし◎エリマキキツネザルの楽しみ

 動物病院には、様々な動物がやってきます。傷ついた野生鳥獣の保護、新規来園して、あるいは病気にかかって等々です。出入りもけっこう賑やかなものです。
 その中のひとつに、エリマキキツネザルがいます。飼育係1年生の私にとって、動物病院を担当した時からの付き合いです。最近ではちょっぴり気心が通じ合うようになった、そんな気がしないでもありません。何せ、特別に御機嫌を取っているのですから。
 秋のシーズンたけなわの頃には栗の実を、最近ではバナナを切って、作業着のポケットに忍ばせています。それを知っているエリマキキツネザルは、私が部屋に入るとこれが楽しみと言わんばかりに、ゴソゴソとポケットに手を突っ込んで取りにくるのです。
 その仕草は、何とも愛らしいもの。「ここにいる間は仲良くしようぜ。」思わずそうつぶやいてしまいます。
(飼育課員 清水定夫)

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