でっきぶらし(News Paper)

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55号(1987年02月)4ページ

動物園こぼればなし◎親心有れば水心

当動物園では、春・秋の行事を中心に各種の催し物を計画し、実施しております。
催し物の中で、年2回錦鯉品評会があり、錦鯉愛好家の御協力により毎回1000尾の金魚を寄付していただき、金魚すくいを行なっております。
入園者全員に、金魚すくいをしていただきたいのですが、数に限りがありますので、有料子供入園券の裏に、「ゾウさん」のスタンプを押して整理しております。・・・が・・・
そこは、それ、子供のこと、他の子供の姿を見て、僕も私もと思う気持ちが、言葉と態度に出てきまして、両親を悩まし始めます。そこで、私達に掛けられる言葉が、「お金はいくら掛かりますか」「どうすれば出来るのですか」とか、押されたスタンプの印影を差し出して、「これでは、ダメでしょうネ」。困り果てた両親は、再度入園券を買いに走ります。中には「全員できないのですかー」「動物園で金魚すくいなどやるな!」等さまざまです。
その様な両親の多々ある中に、駄々をこねる子供に対して、理解させ、納得させている姿を見ていると、何とかしてやりたい気持ちが持ち上ってきます。その様な時、様子を見ていた中学生が、そっと当たり券を渡してくれました。
私達は、何か暖かいものを感じ、その中学生がとても美人に見えました。
当動物園は、教育的施設でもあることを、お忘れなく。
(管理課員 青山知裕)

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