でっきぶらし(News Paper)

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55号(1987年01月)9ページ

動物病院だより

 梅が散り、桜が咲くのを楽しみにしている今日この頃ですが、皆さんお元気ですか?今年はどういうわけか、年明けとともにいろいろと不幸なことが続いて、私の方は気が滅入ってしまっています。
 まずは一月二日の朝、マレーバクのメスが、あまりにもあっけなく死んでしまい、七月にピグミーマーモセットが一頭出産して、これでようやくあかりが見えてきたかと思ったのですが、二日後に死亡。(乳がでていなかったようなのです。)十四日にはハリネズミが肝臓、膵臓癌で死亡。二十八日にはキジの仲間であるヒオドシジュケイのメスが、頭をうって死亡してしまいしまた。
 二月に入り、バーバリシープが四日と八日に出産したもようなのですが、子供がいないのです。担当の石井飼育課員と放飼場に入ってすみからすみまで探しましたが、破水してぬれている場所はあっても、子の姿はありません。「カラスが運んだのかなあ」「そりゃむりだよ。もしカラスなら、つついてバラバラにしちゃうよ。そうしたら、その一部ぐらい残るよ。」「それじゃ、タヌキ?」「どっから入るかなあ。」今もってどうなってしまったのかわかりません。
 そして十一日は、ヒョウの出産がありました。前回二回とも人工哺育なので、今度こそ親元で大きくなってほしいと、寝室には産箱を置き、まわりを暗くして必要以外は近よらないようにし、母親が落ちついて子育てができるように努めました。その後六日間は子のなき声が確認でき、うまくいくかと思ったのですが、七日目以降子のなき声がきかれず、二月二十四日に寝室内に入ってみたところ、すでに子の姿はありませんでした。ガックリ!!
 こういった具合でもうお先まっ黒な状態なのです。そんな中で一月十四日にアクシスジカ、一月二十五日にアカテタマリンの出産がみられ、順調に大きくなってくれていることがせめてものなぐさめとなっています。昨年は前半が好調、後半はガタガタだったから、今年はもう少しすれば良くなるんじゃないかと期待しています。
 動物病院の二階事務所には、袋井の法多山のお札がかざってあります。毎年一月末頃に法多山にお参りにゆき、「事業安全」をお願いしています。ところが、今年はなかなかお参りにいく機会がなくて、そのままになっているのです。これがいけなかったのでしょうか?
 この次の「でっきぶらし」では良いニュースがありますように―。
(八木智子)

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