でっきぶらし(News Paper)

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57号(1987年05月)13ページ

動物園こぼればなし◎先入観

動物クイズを行なってみます。よく考えて答えてください。その1、体の色は白黒です。その2、目は赤色、体は白色。さて、2つの動物の名前を答えて下さい。あなたなら何と答えますか。
大人、子供にかぎらず、第1がウシ、第2がウサギと答えがかえってくるのが普通のようです。
絵本の中に書かれている、ウシやウサギの絵を見てみると、ウシは白黒のホルスタイン、ウサギは、白色で目の赤い白色日本在来種の絵が書かれていることが多いようです。
これらを見て育ってきた人々にとって、白黒の動物はウシ、体が白く目が赤いのはウサギと思ってしまうのはけっして間違いではないと思いますが、裏をかえせば、白黒の動物もウシ以外にも沢山いますし、ウサギの中でも、ノウサギは茶色で黒い目、イエウサギの中でも、種類によって、白黒で目が黒いウサギ、茶色で目の黒いウサギとそれぞれ種類によってちがうのが現実なのです。
なぜこんな問題を書いてみたかというと、子供動物園には、白黒のヤギ、体は茶色や、白黒で目の黒いウサギを飼育しているからなのです。
これらの動物を見て、お客さんの中には、ヤギを見てウシの子がいるよという親子づれや、若い人達が意外と多いからです。
また、黒、茶色のウサギを見て、これウサギなのですかと不思議そうにしている子供や親を見ていると、つくづく先入観とは恐ろしいものなのだと思えてなりません。
(飼育係 小島昭一)

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