でっきぶらし(News Paper)

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57号(1987年05月)1ページ

レンズから見た動物達【小さな小さなウーパールーパー】

 先日、爬虫類の担当者が「ウーパールーパー(正式名はメキシコ・サラマンダー)がフ化したよ」と知らせてくれました。カメラに収めるべく、早速訪れたのですが、まあその小さいこと小さいこと、「これじゃあ、顕微鏡でもなければ写せないかな!?」と思ったぐらいでした。
 全長10cm前後、半透明で手足はなく、エラだけが一人前に外へ出ています。こんな小さいものをどうやって写せばよいものか。しばらく考えた末、シャーレ―に薄く水を張り、その中に一匹だけ入れて台の上にのせて撮る方法を思いつきました。
 カメラは三脚に固定、レンズには自慢のマクロレンズを取りつけ、シャーレーに目一称レンズを近づけてからファインダーを覗きました。が、それでもとても小さくて…。
 仕方なく、次の手段。標準レンズに中間リングを一〜五号まで全部つけて再度覗き込んで、やっとファインダーの半分ぐらいです。
 よしこれならと、シャッターチャンスをうかがったのですが、押そうとするとファインダーから消えてしまいます。何度も何度もシャーレーを動かして撮影すること一時間、どうにか七〜八枚撮ることができました。
 やれやれとひと息ついた中で、シャーレーの中のウーパールーパーを見ていると、何だか不思議な気分に捕らわれました。これも同じ動物園の中の動物かと…。
 ちなみに、私の担当動物はインドゾウとアメリカバイソンです。
(鈴木和明)

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