でっきぶらし(News Paper)

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58号(1987年07月)2ページ

レンズから見た動物達【身近な動物達】

 動物の写真を撮っていると、ほら飼育係の人がカメラを向けるとポーズをとっているよなんてことを耳にすることがあります。が、動物が私達を“身近”に感じている分、撮りにくい面も出てきます。
 例えば、ニュースのひとつに出産がありますが、母子の撮影等は撮りにくい内のひとつでしょう。レンズを向けると何かされると思うようで、子供を連れて逃げるか、あるいは自分の体で隠すか、逆に威嚇して向かってきたりします。何をされても平気というのは、まれにしかいません。
 子供動物園で飼育されているヤギは、このまれの中に入るのではないかと思います。これはうるさいぐらいに寄ってきてます。ヤギの放飼場に岩山ができたので、その頂きに立つヤギのオスを青空をバックに撮ろうとした時などは、むしろ邪魔になるぐらいでした。
 中でもしつっこいのは、人工哺育で育てられたヤツ。服や髪の毛をしゃぶり引っ張る、角を押しつけてくわ、はたまた目のまん前で納豆みたいな糞をポロポロするわ、レンズを覗き込みにくるわで、落ち着いて撮影するどころではありません。
 あまり馴れているのも苦労のタネ、ほどほどが一番ですが、なかなかこちらの都合のよいようにはいかないものです。
(池ヶ谷正志)

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