でっきぶらし(News Paper)

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58号(1987年07月)6ページ

オグロワラビーふしぎふしぎ 松下憲行【ふしぎパート?U育児のうは頼り

 袋、育児のうは、実に偉大な場所です。小指の先程しかない赤ん坊を守り育てるのですから何よりもの証明でしょう。もっとも、逆にいいかえると、もし袋から落ちるようなことがあれば、とても生きてはゆけないということです。
 そんな事故ってあるのか、あったのかと不思議に思われるでしょう。確かに、大きくゆったり、伸縮自在の袋から子が落ちるなんて非常に想像し難いことです。しかしながら、実際はあったなんてものではなく、数えきれないぐらいそんな事故があり、あたら幼い命を失くしたことも一度や二度ではありません。
 出産シーンを見せてくれたビビ、今育児にいそしんでいるヒロは、共にそれらの理由からやむを得ず人工哺育に切り換えられ、かつ運よく育った個体です。
 今いる子供達も決して無傷、無事故で育った訳ではありません。ヒロは三度、もう一頭のメスも一度、袋から子を落としてしまいました。発見が早かったのと夏場であったことが幸い、親の袋に戻すことができて何とか無事に育った訳です。

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