でっきぶらし(News Paper)

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59号(1987年09月)4ページ

動物の食べ物 第8回 夜行性動物館その1

 さんさんと日が差す日中は、たいていの動物は動きません。動かなくとも起きていればよい方で、中にはしっかりとふて寝?を決め込んでいるのもいます。
 昼間は動物はそう動かない、というのは私達にとっては当たり前です。が、お客様にはそうは参らないでしょう。苛立って「起きろ」と叫んでいるのもよく耳にします。率直に言って、無理な注文です。一度寝込むと簡単には起きませんし、夜行性でなくとも彼らの体がおのずと動くのは、朝か夕方です。日中でもせわしなく動いているのは例外か、あるいは、まだ子供である動物たちだけです。
 それでは仕方がないとしてしまうのは、サービス精神がありませんし、見せる側の努力不足でもあります。で、そんな中から生まれたひとつの発想が、夜行性動物館です。 つまり、その建物の中だけは昼と夜を逆転してしまおうという訳です。典型的な夜行性の動物をそこに集め、よく動く状態を作り上げ、それを見てもらおうという訳です。
 さて、それで食べ物や食性、これもお客様の一大関心事である筈です。私達が「エサ」を持っていると、時には視線が刺さるようですらあります。乏しい知識ながら、知り得る限りのことを精一杯語ってみましょう。

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