でっきぶらし(News Paper)

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63号(1988年05月)1ページ

レンズから見た動物達「ハチドリを撮る」

 昨年の夏頃より「ただいま準備中」の札がかかっていた熱帯鳥類館の一室に、ようやくのこと予定のハチドリ(15羽)が入りました。早速、記録係の出番です。
 ガラス越しに観察していると、天井からつるした餌箱(中身は人工の蜜)にくちばしを入れ、空中で静止し、おいしそうに蜜を吸います。この鳥は縄張り意識が強くて争いも多いようで、自分の吸っている餌箱に他の鳥がやって来ると、盛んに追い浮チていました。
 彼らの動きを唐ワえたところで、カメラをガラスにくっつけて撮り始めたのですが・・・。今まで、ついそこの餌場に来ていたハチドリもカメラに驚いてか、全然来なくなりました。
 この鳥はヘリコプターが空中で静止したような格好で、蜜を吸う時がシャッターチャンスですが、それは飛翔している時を撮るということです。カメラを警戒したこともあるでしょうが、結果は自分が描いていたものとはうらはらなでき映えのものばかりでした。となれば、再度挑戦あるのみ。何としても空中で静止した、あの美しい姿を撮らずにはいられません。
(佐野一成)

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