でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 64号の8ページへ64号の10ページへ »

64号(1988年07月)9ページ

開園以来の動物 〜 ニホンツキノワグマのツキタ 〜

 新しい連れ合いがなかなか馴じんでくれず、ひとりぼっちで春の陽を浴びるツキタ、開園以来ずっと連れ添っていたチュウタ(メス)がもう帰って来ないのは知っているのでしょうか。
 人に育てられたツキタは冬ごもりを忘れても、チュウタは忘れていませんでした。が、今年の1月、チュウタはそのまま永遠の眠りについてしまったのです。
 春になれば、暖かくなればの思いがツキタにあるとすれば、慰める言葉もありません。遊ぶことも、喧嘩することもできなくなったことをどうして教えられるでしょう。
 願うのは、新しい連れ合いと一日でも早く仲睦まじくなってくれることです。そして、思うのは、12年前の繁殖の夢よ今再びです。
 19才の年令は決して若くはありません。ですが、老齢と言うほどの歳でもありません。上野や宝塚動物園では30年以上飼育した経験を持っています。
 新妻は若い、というよりまだ幼いぐらいです。ここは一年発起、ツキタよ頑張れ!

« 64号の8ページへ64号の10ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ