でっきぶらし(News Paper)

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65号(1988年09月)1ページ

レンズから見た動物達

★ヘビを撮る

 来年はヘビ年。と言うことで「ZOOしずおか」で爬虫類のふしぎを紹介することが決まったのですが、残念ながらストックがありません。以前にも語りましたが、片寄った撮り方が招いた結果です。
 仕方なく爬虫類の担当者に協力をお願いして、室内に入っていったのですが、ファインダーが曇ってしまい、ふいてもふいても取れません。十数分後かろうじて撮れる状態になりましたが、担当者に毒があるよなんて言われると、思わず尻ごみしてしまいます。が、何にしても絵になるのを、と必死。気持ち悪さと暖房で汗がぴっしょりになってしまいました。
 苦労の介あってか、数枚は使用できそうで安心しました。それでも全部はそろえられず、後は担当者に無理を言って借り、何とかカバーできました。
 来年に発行される「ZOOしずおか」の中の爬虫類のふしぎをご覧になられたら、苦労して汗をかきかき撮った写真だ、と思って下さい。
                                           (佐野 一成)

★類人猿を覗く

 必要に迫られて園内の動物の写真を撮り始め数年が経過しましたが、私のネガホルダーには全くと言ってよい程類人猿の写真がありません。
 オリを入れずに類人猿を撮るなんて至難の業です。レンズを向けた時の彼等の行動は、誰しもが描くイメージ通りの面白さではあるのですが…。
 チンパンジーは、陽気なイメージ通りに派手な行動をします。大声を出して走り回る、木を投げる、オリに体当たりする、更には口に水を含んで吹きかけてきます。しかし、これでは写真を撮るどころではなく、逃げ出すしかありません。
 オランウータン、森の哲学者といわれ態度は静かであるが、オリに近づいたらもう撮れません。チャンスは奥の台の下に入り込んでいる時ですが、その時はお気に入りの大きなタイヤの影が入ることが多く、それではただ茶色の毛の固まりを撮ってしまうだけです。
 もし、撮る可能性を見つけるとすれば、ピントを一定の場所に合わせておいて、名前を呼んで寄って来る所を一気にモータードライブ連続撮影するしかないでしょう。
 その後は、すくにオリから離れないと危険です。少しでも遅れればオリの中から手がにゅう、カメラを持たれたらそれが最後。スクラップにされるのを覚悟せねばなりません。
 最後はゴリラ。これは少しは楽です。ある程度の威嚇をしながら動き回ります。が、全く撮れないという事はありません。
 しかし簡単にはじっとしてくれず、座っても正面を向くことはまずありません。横向きで目だけはこちらをチラチラ。例え正面を向いたとしても緊張でやさしい目にはとてもなりません。ゴリラの繊細な神経のある部分を垣間見る思いです。
 そんな訳で、なかなか類人猿の写真を撮る気持ちが起きて来ないのです。でも、これが本当のレンズから見た動物達ではないでしょうか。そう思われません?
                                          (池ヶ谷 正志)

★いい写真を撮るには

 動物の写真を撮るには、どんな天気が良いのでしょうか?「もちろん晴れた日だよ」と答えた人は、動物園であまり写真を撮った事のない人。それではいつがいいのでしょう!?
 雨の日は動物も元気がなくそれに周りも暗くて…。晴れの日は日差しが強い為に明るい所と暗い所の差が大きく、影に入った所は真っ黒につぶれてしまいます。当然いい写真にはなりません。
 それにオリに入っている場所が多い為オリの影が動物の体にはっきりついてしまい、モチ焼き写真ができてしまいます。
 写真を撮るには曇りの日、それもうす曇りが最も適しています。影が出ないのがよいのですが、あまり暗いとシャッタースピードが稼げず、ブレて何にもならなくなってしまいます。
 え!!「そんな天気の事まで気にしていたら、いつになっても写真なんか撮れない」ですって。ごもっとも、ごもっとも。
 やっぱり、いい動物の写真を撮ろうと思ったら、一に粘り、二に粘り、これしかなさそうです。自分でわかっていながら、なんでできないのでしょう。反省!!反省!!
                                           (鈴木 和明)

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