でっきぶらし(News Paper)

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71号(1989年09月)2ページ

あらかると【オオアリクイの親子はカメラマンなかせ】

 九月二十九日、オオアリクイが出産しました。待ちに待ってやっと。担当の後藤さんは毎日のように夜間観察、さぞや疲れたことだろうと思います。
 これは日本で三回目、当園では二度目になります。前回は今年の二月二十六日で、この時の子体重は千二百g、今年は千五百gもありました。
 前回は人工哺育で、哺乳シーン等けっこういい感じで撮れ(自分ではそう思っている)、いい資料となり「ZOOしずおか」にも載せられると自負していました。が、子の容態は急変、三日後に死亡してしまいました。
 写真を撮り過ぎて生気を吸い取ってしまったのかと思いましたが、出産時に子の頭をどこかにつぶっつけてしまったらしく、脳内に出血を起こしていて、それが死亡の原因でした。
 今回は子の元気はよいものの、親が少々興奮気味。ちょっとした雑音にでも驚くとのことで、担当者が大丈夫というまで待ちました。
 出産後一週間経って、やっと撮れるようになりました。子供は親の背中の尾のつけ根にちょこんとのり、親が早足で歩くと少しずつずれてゆくようでした。
 なにしろ、動き回って止まろうとしないオオアリクイ。ピントを合わすのに苦労して、合ったと思ったらすぐに歩き出す始末で、なかなか撮れません。
 数本撮ったもののろくなものがなく、加えて背景の金網がより悪くさせます。でもまあ、あまりいい記録が撮れなくても、しっかり大きく成長してくれれば、それが一番いいことなのでしょう。
(佐野一成)

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