でっきぶらし(News Paper)

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75号(1990年05月)5ページ

動物園友の会ボランティアコーナー

平成2年7月3日4日、東海大学海洋科学博物館において開催された「第31回 日本動物園水族館教育研究会」で、静岡市立日本平動物園ボランティアーズとして発表したので、その概要を報告します。

1 発表課題

 静岡市立日本平動物園の「ZOOフレンドデー」における展示と解説について

2 発表レジメ

 静岡市立日本平動物園では、1986年より春、秋の動物園行事期間中に、ある特定の動物をよく知ってもらう「ZOOフレンドデー」という催しを実施している。
 これは、ゾウはゾウサンデー、キリンはキリンサンデーというように名付け、代表的な動物について、1日〜数日、種々の資料を用いて来園者に啓蒙普及を図るこころみである。
 現在までに、ゾウ、キリン、トラ、シカ、サル、サイ、カメ、ペンギン等を実施しているが、当初は動物園が企画し、実施について協力していたが、現在では、計画から実施までボランティアーズが主体となって、動物園と話し合いながら行っている。
 今回は、ZOOフレンドデーの企画及び実施の状況等、また、種々の問題点等を検討報告する。

(1)計画段階
?@動物園との話し合いにより実施動物の決定。
?A企画内容の検討。(日、場所、内容)
?B必要資料収集の動物園への依頼。作業に必要な道具の調達依頼。
?C実施日までの作業予定表と作業人員の決定。

(2)製作段階
?@基礎資料の収集。実施動物の勉強。
?A少数ボランティア(実動10人程度)による作業分担。
?B各種企画内容の定型化、規格化を図り、パネル等の短期完成。(自宅でも製作可。)
?C動物園による実施場所のパネル台の組立て、スタジオの建設等。

(3)実施段階
?@受付コーナー(パンフレット、ステッカー、スタンプ等をくばり興味をひかせる。)
?Aパネル展示コーナー(テーマ動物の分布、種類、習性等をパネル20から40枚位で説明する。)
?B実物展示コーナー(テーマ動物の骨格、はく製、餌、その他5から10点程を実際に触れさせて説明する。)
?Cステージ、スタジオコーナー(童話の絵パネルで演出し記念写真等に使用する。これに、時として、動物ふれあいの場、動物クイズ大会等を組み合わせ実施する。実施ボランティア数は10から20人程度である。)

3 発表内容

(1)動物園入園者層の持つ要因
 最近の入園者層が持っているといえる要因として次のことが考えられ、この点を考慮して対応しないと十分な成果を期待できない場合がある。

?@東京ディズニーランドのサービスを一つの基準としている。できるだけ豊かなサービスをこころがける。また、常に目先をかえた場づくりをし、「まんねり」感をもたせないようにする。
?A動物関係のTV番組で、動物に対する目が肥えている。そのため、なるべく視覚にうったえる配慮をする。
?B日常生活の動物離れから、動物を「ながめるもの」と意識する傾向がある。動物ぎらいが入園者にいることを承知しておく。
?C類似施設の充実等余暇選択の拡大により入園機会が減少しやすい状況にある。また、繁華街等の大きなイベント等に関心を取られやすいので、注意しておく。

(2)動物園入園者への基本的配慮

 入園者の持つ要因を受けて、ボランティアーズが行う「動物園行事」は、次の配慮が必要と考えられる。

?@動物園行事はイベント性が重要である。「動物」を媒体として、子供から大人まで楽しめる多彩な企画とする。
?Aボランティア行事は教育的な意図を前面に出さない。動物の知識を教えてあげるとか、動物により生物教育を普及させるということは、大切であっても行事の中心に持っていかない。

次号へつづく                               (文責 中村 元弘)

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