でっきぶらし(News Paper)

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76号(1990年07月)7ページ

動物園こぼればなし 〜 クマとキツネ 〜

 この2、3ヶ月事務所によく家族づれのお客様が心配そうな顔で、「クマの中にキツネが入っていますよ、だいじょうぶなのですか。」と質問してきます。お客様にしてみれば、いまにもキツネがクマにおそわれ食べられてしまうのではないかとの心配からわざわざ知らせにきてくれるのですが、その都度「だいじょうぶですよ、もう20年も一緒に生活しているのですから。」とやさしく答えています。以前は昼間はほとんど姿を見せることもなかったキツネも最近ひんぱんにクマのすぐ横で寝ていることがあります。これも歳によるものかもしれません。クマとキツネの関係も、当園の歴史の中では長い方です。開園の翌年9頭のキツネをクマの放養場に放し、クマとの同居をしたのがさいしょです。当時は、同じ生息地にすむ動物どうしを一緒に展示してお客様に見てもらうのが比較的に多く、特にクマとキツネの展示が多かったのです。年月とともに9頭のキツネ達も年々数が減り、現在では1頭になってしまったのです。キツネの20才は人間でいうと90才以上に相当します。よくこれまで元気にすごしてきたものです。これからも天気のよい日にはクマと一緒に昼寝をしている姿を1日でも長く見たいものです。
(飼育課 小島昭一)

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