でっきぶらし(News Paper)

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26号(1982年03月)1ページ

あしあと

昭和44年4月1日、我々は、動物園職員としてスタートした。東山動物園・浜松動物園・多摩動物園に分かれ、1ヶ月間の研修に行き、動物・動物園のいろはを学んだ。研修から帰って見ると、入梅の時期と開園前のおいこみ工事等で、園内の道路はぬかるみ、車も毎日のように穴に入り込んで動けない状態の園内であった。それでも8月1日の開園近くになると、毎日のように、いろいろな動物が入園してきた。その日から、研修でちょとかじった程度の知識と、先輩動物園の資料等を参考に、その動物の餌の種類・量をきめ、手さぐりの動物飼育が始まった。
それから、すでに13年が過ぎ、荒山のような園内も緑につつまれるようになった。動物達の間にも、いろいろなドラマがくりひろげられてきた。誕生しては喜び、死んでは悲しみもした。
これからも、動物と飼育係のドラマが生まれていくが、動物園の目的の一つ(社会教育の場)として、我々だけのものにしないで、多くの人に動物の尊さを知ってもらうようにつとめたい。その事と合わせ、この13年間で学んだ事、経験した事を、この「でっきぶらし」を通じ、後輩のためにもあしあとを残していきたい。

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