でっきぶらし(News Paper)

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145号(2002年01月)4ページ

病院だより ホッキョクグマのジャックとシンリンオオカミのビッキーの

 日本平動物園で長年親しまれてきたホッキョクグマのジャックとシンリンオオカミのビッキーが、今年の一月に相次いで亡くなってしまいました。

 ジャックはメスのピンキーと一緒に、開園から五年目の昭和四十九年六月十一日に日本平動物園へやって来ました。当時はまだ子供で白い縫いぐるみのようで愛らしく、人気の的だったそうです。それから二十八年の長きに渡って、この動物園を見続けてきたわけです。
 ビッキーは、昭和六十二年十二月二十四日のクリスマスイブに先に死亡してしまったオスと一緒に、神戸市王子動物園からやって来ました。それから十五年の間、ジャックと同じようにこの動物園を見続けてきたのです。

 きっと高齢の二頭のことです。「あの飼育係は若い頃はああだった・・・。この飼育係は自分が育ててやったお陰で今は立派に一人前になっている。」などと、昔を振り返りながら過ごしていたのかも知れません。

 ジャックは昨年の夏以降めっきりと痩せが目立ってきました。検査の結果肝臓の腫瘍の疑いが持たれ、治療の甲斐なく死亡してしまいました。
 ビッキーは怪我やアクシデントにもめげず、何度となく復活して来ましたが、最近は足腰も弱くなり、今回はついに回復することなくに亡くなってしまいました。肺の腫瘍が原因でした。

 ジャックもビッキーも、生息地である厳しい極北の地の気候に近い一月の寒い日に、先祖の待つふる里の地へ旅立って行きました。

(川島 美昭)

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