でっきぶらし(News Paper)

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155号(2003年09月)9ページ

学芸員実習を終えて 【名城大学 岡田洋子】

 私の実習中はイベントがたくさんあって忙しかったのですが、その分いろんなことができて充実していました。

 この実習で楽しみにしていたのは飼育実習でした。ゾウに踏まれたどうしよう?ライオンに襲われたらどうしよう?などと内心ドキドキしていましたが、気にしていたのは私ばかりではありませんでした。飼育員さん以外の人が近づくと動物も気になるようで、私が近づくとゾウは逃げてしまいました。体は大きいけど、ゾウは意外と臆病な性格だと知りました。ジャガーを部屋に入れようとした時は、見慣れない私をずっと見ていて、部屋に入らなくて困りました。一番大変だったのはゾウの糞掃除と猛獣たちへのエサ運びでした。普段、椅子に座って教授の話を聞いている学生にはとても重たくて、力のなさを痛感すると同時に、こんな大変なことを毎日やっている飼育員さんは本当に動物が好きなのだと思いました。一番うれしかったのは、トラの赤ちゃん(しまじろう)を世話したことです。世話といってもミルクを作って(あげるのは飼育員さん)、草むらで散歩させただけですが、必死に歩く姿がかわいくてたまりませんでした。飼育でしまじろうに会ってからは、しまじろうが気になってしまい、ミルクの時間になると作業の途中でも見に行ってしまうくらい印象が強かったです。

 実習の成果が残るものとしては、動物説明の看板を3枚作りました。1枚はアヒルの看板で、2枚はブチハイエナのホシくんとキラちゃんの紹介看板です。アヒルの看板では、文字の配置や大きさを細かく考えたり、板を切ってペンキを塗るなどして、思っていた以上に大変でした。看板がアヒルの形をしていたので遊び心で目をつけてみましたが、依頼者に不評でちょっとがっかりでした。ブチハイエナは説明文から考えたのですが、これも内容を考えるのに苦労しました。何ヶ月もつけておくものだから、現在の状況を書くことができないことに気づき、改めて看板作りの大変さを思い知らされました。

 飼育や看板作りには達成感がありましたが、この他にもイベントの準備や園内アナウンスをやって、夜の動物園見学会やサマースクールに参加させてもらい勉強になりました。

 私の中での動物園のイメージは、小さい子供が行くところでしかなかったのですが、この実習で子供に限らず誰が行っても楽しいところであると思いました。そして動物園は教育の場でもあるけれど、なにより来園者に楽しんでもらうことを考えていくことが大事だと思いました。そのために陰ながら働いている人たちを知ることができて良かったです。

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